ある春の早朝、私はチヌを狙いに近くの釣り場にでかけました。
まだ薄暗い中、仕掛けを作っていると何やら気配を感じるので、後ろを振り返ってみると、乳離れをしたばかりくらいの子猫がチョコンと座って私の方を見ていました。
手を出すと「グルグル」言いながら、逃げるどころか寄ってきたので、空いたバッカンの中にそっと入れ、タオルをかけてやると、スヤスヤと眠ってしまいました。
そのうち勝手に逃げるだろうと思いながら釣りを開始しました。
その日はまるでダメで、ろくにアタリもないままマキエも無くなり納竿とし、片付けを始めました。
子猫のことなどスッカリ忘れていたのですが、バッカンの中を見てビックリ!コイツまだいました!しかも、スヤスヤと気持ち良さそうに眠っていたのです。
私はスッカリこの猫を気に入ってしまい、家に連れて帰りました。名前をSeaと名付けました。こうして、Seaちゃんと私との付き合いが始まりました。
やがて、Seaちゃんは大きい立派な♂猫になりました。
あの日から17年、Seaちゃんは至って元気です。33才だった私も、今は50才のオッサンになりました。
私と猫とのちょっといい話!?でした。